病院の電子帳簿保存法の取組みの考え方 ~立替経費と法人カードの活用~
経理の実務において医師を含め職員の立替経費の電子データの領収書について、実務的な対応で悩まれている病院が多い為、一つの解決方法について記載を致します。
法人カードの活用
病院では医師が学術書をネットで個人のクレジットカードを用いて購入したり、県外の学会に参加する為に飛行機の予約を個人のクレジットカードで決済する事が日常的に行われています。
上記のような場合は、立替え精算の際に電子決済を行った領収書を財務・経理部門にメール添付等でデータを回収し、データ保存が必要となります。
ただ、現実的に医師に細かな依頼を行う事が難しいケースがしばしば見受けられます。
上記の事をスマートに解消する為に注目されている方法として、法人のクレジットカードの活用があげられます。
法人のクレジットカードであれば財務・経理部門がECサイトで発行された電子の領収書を保存する事が可能となります。しかし、医師や職員に法人のクレジットカードを貸与する事に躊躇されることが一般的には多いと考えられます。その理由として、管理の煩わしさ、経費の歯止めが利かなくなる、不正利用が心配、カード発行手数料や年会費が発生する、退職者から法人カードを回収できない可能性がある等、導入メリットよりもデメリットの方が数多くあげられる為です。
しかし、インボイスや電子帳簿保存法の法改正に伴い世の中の仕組みそのものが大きく変化し、法人クレジットカードについても上記のような従来までのデメリットが限りなく低減された法人カードが出現しています。
弊社では財務・経理の視点でデメリットがない法人カードを検証した結果、「UPSIDER」の法人カードを一番に推奨しています。
特徴として、
・発行手数料と年会費が法人カードを何枚発行しても完全無料
・カードごとに利用限度額を随時変更可能
・紛失時や職員の退職時にカードの利用を即時停止可能
・バーチャルカードは必要なタイミングで即時発行可能
・全ての発行カードの利用状況が財務・経理部門で即時確認できる
・紙の領収書をスマホで写真を撮る等、紐付けの関係にして電子帳簿保存法に対応
・毎月、使用額の1%がキャッシュバック
・後払い方式(使用後に銀行口座から振替)
・マネーフォワードとAPI連携が可能
発行手数料や年会費が発生しても構わなければ、マネーフォワードやバクラク等の法人カードはキャッシュバック率が高いケースもある為、使用方法と目的によって選択肢の幅は広がるものと考えています。
また、現金の取り扱いを無くすもしくは、低減させる事で経理業務の手間と労力は大幅に改善する為、従来まで小口現金を用いて購入していた内容も法人カードを利用する事を弊社は推奨しています。具体的には、コンビニやホームセンター等においても法人カードの利用を推奨しています。
終わりに
電子帳簿保存法を前向きにとらえて、新しい仕組みを効率的に活用し、業務改善を1つでも多く実践につなげていただければと考えています。