病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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病院の決算のポイント

基礎知識 2024.03.12

決算が期限ギリギリにしか終わらないというセカンドオピニオンの相談をいただきます。

弊社は原則、3月決算であれば4月末までには税計算を終える事を前提に、経理業務の仕組み作りを行い決算に臨んでいます。今回はその内容を簡潔に記載致します。

3月決算が5月ギリギリにならないと終わらない理由

  • 3月の試算表の締めが4月末にしか仕上がっていない
  • 月々の試算表の精度が低く、決算で見直すべき内容が多くある
  • 棚卸や未収金等、財務・経理部門以外の要因で遅くなる
  • 会計事務所が決算は5月末までに終われば良いと、旧態依然の考え方をしている

決算が遅い病院は、上記の内容が複数関係していると思慮します

3月決算が4月中下旬に終わる理由

  • 3月の試算表が早い病院では4月6日締まり、一般的には4月15日~20日に締まる
  • 月々の試算表は仮払金・仮受金がなく、未収残高の確認を行い、資産計上も適切に毎月行っている
  • 決算に関係する関連部署と事前に調整を行い、決算スケジュールを法人として共有し進めている。
  • 会計事務所が決算は1か月以内に終わらせる事が当たり前と考え、そのノウハウがあり、業績報告を4月中に行う事で経営に活かす考えを有している

決算を4月に締める為のスケジュール感

経理スタッフは最少の人数でパフォーマンスを上げる体制と仕組みを整える事が第一歩です。気合いだけでは安定的な経理業務にはならない為です。

日々の経理業務はコストをかけずに自動化・連携化が必須です。いまだに仕訳を手入力しているようでは、経理業務は次の一歩を踏み出す事すら困難です。

月次決算は翌月中旬に締まる体制があるからこそ、決算が4月20日~25日に仕上げる事が実現します。また、会計事務所が税計算を行う時間は1日あれば十分です。

4月に決算を締めるための具体的なポイント

勘定科目期限内容
現金4月1日金種表を用いて残高確定
預金4月1日ネットバンキングで残高確認
(通帳記帳をして確認では手間と時間がかかる為、NG)
医業未収金4月15日・3月の社保・国保・介護の請求額は遅くとも4月10日に確定。
・請求保留額、2月・3月の再請求額の確定は4月12日までに確定
・自賠・労災・健診は月々で残高の確定を行えば3月末の残高確定は遅くとも4月15日には確定
・窓口の未収金は4月15日までに確定(回収不能な未収金は3月中に理事会決済)
・介護事業の利用者負担の口座振替は毎月未収残高の確認を行い、3月末に口座振替ができなかった金額を4月上旬に確認。
・3月下旬にクレジットカード利用した未収も遅くとも14日には確定
棚卸4月5日~10日医薬品・診療材料・給食材料・検査試薬・備蓄食材・事務消耗品の棚卸表は、棚卸品目と最終仕入価格を一覧表に入力を終わらせ、棚卸のカウントを行えば、金額が確定できるように事前準備を行う
固定資産4月15日請求書が届き次第、減価償却ソフトに登録
買掛金・未払金4月15日請求書が届き次第、債務支払いソフトに入力する事で、3月の計上額と残高の確定。請求書の到着が遅い取引業者には事前に連絡をしてメールで連絡依頼
賞与引当金・
退職給付引当金   
3月31日社会医療法人等、監査法人の対象病院の場合は、引当金計上が必要ですが、3月中旬には金額確定を行う

上記の表から除いた勘定科目は3月中に決算整理仕訳を行える内容がほとんどの為、前倒しで行う事で、決算早期化が実現出来ます。

まとめ

言うは易く行うは難しですが、チャレンジすればどの病院でも4月末に決算を仕上げる事は可能です。また、決算早期化をすると正しい納税ができないのではと心配される事がありますが、適切な業務プロセスを仕組み化する事で、その心配がないばかりか、現状の体制では漏れが多かった事に愕然とされる事がしばしばです。

弊社は病院に特化した経理業務のアウトソーシングを生業としている為、経理プロセスを仕組み化するご支援も行いますので、いつでもご相談いただければ幸いです。

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