病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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令和6年度の診療報酬改定の影響で経理部門のあり方が大きく変わる

基礎知識 2024.02.27

令和6年度の診療報酬改定のアップ分のほとんどが人件費に充てられ、真水の増加が見当たらないと言われています。そういった中、複数の病院から時を同じくして管理部門のあり方、特に経理部門の抜本的な見直しを行いたいので支援をして欲しいと相談をいただきました。

抜本的な見直しのテーマ

  • 管理部門のコストを適正化したい
  • 今だからできる、中長期を見越した抜本的な見直しを行いたい
  • シンプルで最少の人員体制で管理部門を回せる仕組みに整えたい
  • 過去からの踏襲は捨て、未来に軸足を置きたい

相談をいただいた局長からは、回復期リハビリテーション病棟の体制加算の見直しで2000万円の利益が消える為、管理部門の見直しは一丁目一番地のテーマととられえているとの相談でした。

具体的に年間以下のコストの為、「スリム化」をする事と合わせて「業務の質を上げる仕組み」を整えたいとの事。

会計事務所に700万円、経理スタッフ4名の社会保険料や交通費、退職金の積み立てを含めると2700万円、会計ソフトやサーバー費用に450万円。

医療や介護現場でDXの推進と合わせた管理部門のDX

人に仕事をつける考えはやめ、どのような機能と仕組みを使う事がこれからの病院経理のあるべき姿になるかをディスカッションし、何に時間がかかりどういったミスが発生していたかを確認を進めました。医療現場で定員管理を行っているように、管理部門でも定員管理の考え方が必要です。経理・人事・総務・医事といった縦割りの定員ではなく管理部門全体としての人員管理を行う事で、お互いの協力をしあう事を前提とした仕組みと人員調整を行う事が持続可能性のある組織と考えています。

自動化・連携化(API連携)・重複業務の廃止・他部署とのデータの受け渡しの内容と依頼内容の見直し・仕事の山を作らない業務フローの見直し等、医事や人事・総務の業務にも踏み込んでこそ、管理部門全体の取組みとして、お互いに何を調整すれば効率化しミスを無くせるのかをゼロベースで見直しを進めました。

上記テーマをクリアする為にクラウド会計は必須ですが、クラウド会計を導入しただけでは期待通りの効果は上がりません。最も大切なポイントは、「病院の入出金の内容と商慣行、医療用語を理解」し、「経理実務の経験」があり、「病院の税務調査のポイント」も理解した上で、「クラウド会計の操作に精通」しているからこそ、病院の経理業務の抜本的な見直しが進む点です。この要素が一つでも欠けていると、想定していたようなコスト削減や業務の質の向上にはつながりません。弊社にセカンドオピニオンとして相談が寄せられるのも、これらが整っているからこそだと思慮しています。

新たな仕組みや役割を見直す事で新たに発生する費用もありますが、投下時間の削減や余剰人員の見直し、会計事務所の見直しにつながる為、トータルコストは驚くほど改善します。

クラウド会計は初期投資が原則不要であり、ランニングコストも抑えられています。しかし、全てをクラウド会計のシリーズでラインラップするとかえってコスト高になる為、人事労務関係のソフトの連携は上手に組み合わせる事も冷静に検討が必要です。

医事課は紙レセからレセコンや電子カルテに抜本的に仕組みを変えているにも関わらず、会計ソフトは旧態依然のソフトのまま、経理業務のフローも20年近く変化がない事を良しとしている会計事務所に税務顧問や経理のアウトソーシングを依頼し続けるのが良いのかを、今回の診療報酬改定は経理業務のDX化を促すメッセージととらえるべきだと我々は考えています。

今の時代に合わせた機能と仕組みに

インボイスや電子帳簿保存法の法改正が求めている体制に変化すべく、クラウド会計や支払い業務ソフト、RPAを用いる事で投下時間の削減とランニングコストの圧縮を行い、会計事務所に期待する役割と関わり方そのものの見直しが必要です。

医療現場は常に新たな仕組みを取り入れて進歩しています。管理部門や経理・財務部門も勇気をもって新たな一歩を踏み出していきましょう。 弊社は病院を専業とした経理のアウトソーシング会社であり、会計事務所であり、経理DXを推奨しているからこそ、その一歩に寄り添い、リードできると考えています。

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