病院の経理のアウトソーシング業務と会計事務所の品質
何を基準に病院の経理業務のアウトソーシング会社や会計事務所を選定したら良いかを迷われている事務長から相談をいただきます。目的やニーズによってポイントが変わる事もありますが、代表的な分かりやすいポイントを5つ以下にまとめました。 病院の経理業務のアウトソーシングと会計事務所の選定ポイントは5つです。
①3月決算であれば4月中に決算が完了している
決算を1ヶ月で仕上げる為には、業務の質とノウハウの充実、お客様をリードする力とコミュニケーション力が求められます。この1点を確認するだけで、その会社の実力が一目瞭然で分かる一番のポイントです。
決算を早期完了させる為には、仕組みを整え、毎月の業務の質が担保されている事に他なりません。決算を組む為に1ヶ月半以上かかっているようであれば、プロの仕事ではありません。
病院の経理アウトソーシング業務は遅くともレセが仕上がる前まで(翌月10日まで)に決算が仕上がっているかがポイントです。
弊社は3月決算の場合であれば、4月中に決算を完了させる事を自社基準としています。
アウトソーシング会社や会計事務所の実力の違いと業務品質の違いが最も明確に表れます。
②病院の業務特化を行っている
業界の商慣習や情報を熟知しているかしていないかで、業務品質は雲泥の差となり表れます。
病院も急性期、ケアミックス、療養、精神科と病院の機能に違いによっては売上や経費の内容も大きく異なる為、少なくとも30件以上の病院の経理実務を行っていなければ病院の特化型とは表現ができないと弊社は考えています。
また、病院とクリニックでは、規模も内容も全く異なります。クリニックの経理業務のアウトソーシングを経験していても病院の経理業務のアウトソーシングでは視点と抑えるべきポイントやボリュームが全く異なります。すなわちクリニックの経理のアウトソーシング業務の延長線上に病院の経理アウトソーシング業務はない事に留意する必要があります。
一方で、病院の経理業務のアウトソーシングが経験豊富であれば、他拠点、他施設展開を行っているクリニックの業務はスムーズに行う事が可能です。
③クラウド型のAPI連携で業務の組立てを行っている
会計ソフトはマネーフォワードやfreeといったクラウド型のAPI連携を用いた、経理業務のアウトソーシングを行っているかどうかがポイントです。会計ソフトに仕訳を手入力で行っているレベルでは、仕訳の入力者が変わると勘定科目や消費税コード、摘要の記載方法も変わり、業務品質がばらつく為です。また、特にマネーフォワードやFreeは連携するアプリの種類の多さとコストパフォーマンスも優れています。
API連携(自動取込み)を前提とする事で、最低限の業務の担保が整います。 弊社はマネーフォワードを用いて業務の組立てを行っています。
④病院の税務調査の経験が豊富
業務を効率化しすぎると税務調査で対応に苦慮するばかりか、多額の追加納税が発生する事があります。
税務調査のポイントになりえる内容は仕訳や消費税の確認を丁寧に区分して行う等、メリハリが必要です。
病院の税務調査のポイントや事例を確認し、病院の税務調査に精通しているか確認をすれば、その実力を推し量る事が可能です。
全てが効率化の考えのもとで内容の確認を怠ると、お客様に多大な迷惑をかけてしまいます。メリハリを持って業務品質を担保する仕組みと機能が料金設定との関係性となります。
⑤RPAを用いた業務効率の実践
経理業務のアウトソーシングの選定において、料金設定が気になるところです。業務品質が高くても価格目線が合わなければ、病院の期待に応える事が出来ない為です。RPAを用いる事でひと手間かけて業務品質を高める事ができ、また基本業務の効率化を同時に実現できます。
弊社はキーエンスのRPAを導入し、RPAと独自ノウハウを掛け合わせて品質の維持向上に努めています。
病院の経理のアウトソーシング業務を、経理スタッフの一人分の人件費にも満たない金額に置き換える事は不可能です。
ただし、会計事務所の顧問料・決算料と会計ソフト、経理スタッフ人件費や採用コスト等、トータルコストを比較検討し、病院の経理業務のアウトソース化の検討を行う事がポイントとなります。