病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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病院の経理DXの取り組みステップ その1

基礎知識 2024.08.21

病院の経理部門、財務部門の業務効率を改善する為の経理DX化のステップを間違えると、業務効率も道半ばで、スタッフからも不平不満の声が絶えなくなります。コスト削減につながり、業務効率をあげる為のステップを記載致します。

会計ソフトの再選定からスタート

経理スタッフが日々使用するアイテムが会計ソフトです。慣れ親しんだ会計ソフトの変更は大きなストレスにつながる可能性がある為、経理DXのスタートで立ち止まる、もしくは高いコストを支払い続けている病院が多々あります。

検討すべきは、インボイスや電子帳簿保存法の施行、2024年10月からの郵便料金の値上げによる外部環境が大きく変化している事を前提に、経理部門や財務部門の業務の見直しが必要な点です。

また、2024年6月の報酬改定により多くの病院は、利益率を落としています。医療・介護現場に人的・物的資源を少しでも多く投下する為に、管理部門の業務品質を落とさずに合理化する事が取り組むべき必須のテーマです。決して管理部門の業務を軽んじているわけではなく、管理部門のスタッフの採用が困難な時代が地域によっては現時点ですでに発生している為、早急に仕組みそのものを見直すべきタイミングである為です。

事務長はこれらの変化に対応する為に、強いリーダーシップで経理DXに臨む必要があります。

この第一ステップが最大の山場であり、着眼すべき点は

  1. 金融機関とAPI連携により仕訳入力の効率化の視点
  2. 支払業務の効率化の視点から債務支払いソフトとのAPI連携による効率化の視点
  3. 給与ソフトとのAPI連携またはCSV連携で、データ取込みによる効率化の視点
  4. 電子帳簿保存法に対応し、仕訳にデータを紐づけできる
  5. 低コスト

である事です。弊社はこれらの視点から、会計ソフトはマネーフォワードクラウド会計を使用しています。

マネーフォワードは病院会計準則に準拠していない点で弊社も導入までに社内で様々な角度からディスカッションを行いましたが、以下の事から導入を決定致しました。

具体的には、

  1. 金融機関やクレジットカード会社とのAPI連携による入力の効率化と学習機能による仕訳の精度向上に寄与する
  2. 債務支払いソフト(買掛金・未払金の仕訳と金融機関への支払い登録ソフト)との連携が充実している
  3. 給与ソフト等の他社ソフトとのデータ連携が設定不要でスムーズに行える
  4. ソフトの利用料金が安く随時バージョンアップが行われている
  5. 決算や税務調査時に困らない為に必要なデータを仕訳に紐づけでき、データ添付しても入力スピードに影響がない

等の理由から、多くの会計ソフトの中からマネーフォワードを選択しました。

ただ、会計ソフトを見直すだけではこれらのメリットを享受できるわけではなく、病院の取引内容に精通し、マネーフォワードクラウド会計の仕組みを理解した上で、マスター設定をする事が最大のポイントです。弊社のように病院を専業にした専門家に依頼をしていただく事が一番の近道です。中途半端な設定では、入力効率は期待通りにはあがりません。

また、経理DX化を推進するという事は、従来の業務フローの見直しをする事とイコールの関係です。従来の業務フローや帳票にこだわっていては、前には進まない事に留意が必要です。

これらのステップを踏むからこそ、大幅に業務効率が改善できる第一歩となります。ただ、この段階で満足しては目的を達成する事は出来ません。

また、マネーフォワードクラウド会計の課題と言われる病院会計準則に準拠していない点については、エクセルの工夫やRPAを導入する事で、簡単に必要な帳票に変換することで課題を解消する事ができます。

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