病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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社外経理部として病院経理のアウトソーシングの依頼が増加している理由

基礎知識 2024.10.25

最近では都市圏でも経理人材が不足し、さらに地方では人口減少に伴い経理人材が枯渇している為、経理スタッフを採用する事が困難な環境になっています。この傾向は、改善される事はないと考えられます。 また、無理をして経理スタッフを採用した為、経理の知識が乏しく、ずさんな経理業務でまわしているケースもしばしば見受けられます。

デジタル化社会になった事と上記理由から法人内に経理部門を設置する理由が薄れた事が、経理業務のアウトソーシングが浸透してきた大きな要因と考えています。

以下、経理部に正職員を配置せず、社外経理部であるアウトソーシング会社に委託しても支障がない事が分かる内容を記載致します。

①クラウド会計を用いる事で、通帳の入出金もほぼリアルタイムでダイレクトに会計ソフトに反映される為、金融機関で通帳記帳を行う必要性がありません。

②取引先への支払い登録はネット上で振込登録を行い、最終承認のみ事務長に行っていただく事で支払業務は完結します。

③納税手続きはダイレクト納付の手続きを行えば、金融機関の窓口に並ぶ必要もなく、口座振替で完結する事が出来ます。

④インボイスの施行と電子帳簿保存法の改正、郵便料金の値上げにより、紙の請求書からデジタル請求書への移行が加速度的に普及している為、経理業務のアウトソーシング会社に請求書を再送付する枚数も減少傾向の為、負担も随分と軽減しています。また、受取請求書は事前にメールアドレスを取引先に通知していれば、アウトソーシング会社にも送信される為、デジタル請求書への移行率が高まれば、病院の負担はさらに軽減します。

デジタル化された受取請求書はAI-OCRで自動読み取りする事で、金融機関への支払登録や会計への仕訳も連動します。これらから分かるように、デジタル化社会となり、高精度な仕組みが安価な料金で活用できる社会に変化しています。

試算表の作成は手入力する時代ではなくなり、無理をして院内に正職員を配置しなくてもアウトソーシング会社に依頼する事で、経理業務は滞ることなく遂行できる時代に変化しています。

アウトソーシング会社は預金残高については、会計ソフトを通じて預金残高を確認することが出来る為、必要に応じて資金残高のアラートを事務長への報告事項とする事で、事務長は資金繰りを気にする事無く業務を行う事も可能になります。ただし、資金残高は余裕を持った金額設定を行う事がポイントであり、想定外の支払いが発生する事もある為、タイトな資金繰りをアウトソーシング会社に任せる事はリスクがあり、留意が必要です。

その為、当座貸越を設定する等、セーフティーネットの仕組みを予め設定する事も必要な対策の一つです。

唯一院内で経理業務として残る事は、現金出納業務です。その為、出来る限り現金を取り扱わない運用に変更する事が対策です。例えば、立替経費は振込手続きにし、出張時や学会時にはクレジットカードを貸与する事も対応策です。

以前と比べると社外経理部としての経理業務のアウトソーシングの活用のハードルが大幅に下がっている為、デジタル化社会に対応した経理業務について改めて検討をされてみてはいかがでしょうか。

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