経理アウトソーシングの本格的なスタート前に準備しておく内容
経理スタッフの突然の退職や休職の場合は、事前準備を行う事が難しいですが、定年退職を含め経理スタッフが不在になる事が予見できる場合は、経理アウトソーシングの依頼に向けて準備を進める事でスムーズにアウトソーシングをスタートすることが出来ます。
弊社では病院に特化した経理のアウトソーシングを行っている為、緊急対応ができるような社内体制を整備しています。しかし、それでもアウトソーシングのスタートのタイミングが重なるとタイミングによっては調整が難しい場合もあります。
その為、導入前には以下の内容を2,3か月の準備期間を経て、本格的にアウトソーシングをスタートするようにしています。スクランブル対応が必要な場合は、同時並行で様々な事を行いますが、クライアントが資料準備等の対応についていくのがやっとの状態になる可能性が高く、抜けや漏れが発生するリスクが発生します。
弊社では、経理業務のアウトソーシングを受託する際に、優先的に以下の内容を確認します。
①職員の給与支払いの金融機関への登録者と承認者と支払い日
②取引先への支払いの金融機関への登録者と承認者と支払い日
③源泉所得税や住民税の支払い方法
また、事前に体制の整備として、以下の「人」と「物」と「環境」の整備を依頼しています。
【人について】
弊社の窓口担当者の選定または、必要に応じてパートスタッフの採用の依頼をしています。経理経験者を採用していただく必要はなく、ITリテラシーの高い方の方がスムーズなやりとりを行う事が出来ます。特にスタート時期はWebミーティングを頻回に行いながら顔の見える環境で説明を行い理解を深める事に努めています。
【物について】
受取請求書をPDFにしていただく為に、ブックスキャナーの購入を推奨しています。ドットプリンターの請求書、複写式の請求書、A4サイズ以外の請求書等は複合機(コピー機)で連続的にスキャンすることが出来ない為、その際にブックスキャナーはテンポよくPDF化することが可能な為です。
【環境について】
紙の受取請求書が多い状態でスタートすると、請求書をデータ化する事にかなりの時間を割く事になり、結果的に他の業務が後回しになる為、デジタル請求書への移行割合を60%以上にしてからアウトソーシングをスタートする事が疲弊感なくアウトソーシングをスタートさせる事が出来ると考えています。
弊社側の準備になりますが、会計ソフトの勘定科目・補助科目の登録、仕訳の登録、インボイスの登録、過去データの引継ぎ、債務支払いソフトへの口座登録と仕訳登録等を行う時間が必要となります。 上記の事から、事前準備期間を余裕をもって行う事で、双方の負担感を軽減できる為、数か月の余裕期間をもって相談をいただく事が双方の負担と費用の軽減につながります。