病院の経理スタッフの適正人員
打合せ時に、「経理スタッフは何人くらいが適正なんでしょうか」「うちはスタッフが多いような気がするのです」という質問を多くいただきます。経理スタッフの適正人員は施設基準のように法定人員が定められていない為、それぞれの病院によって人員数がさまざまです。
私が出向した約500床の急性期病院では、経理スタッフが1名で残業をせずに業務を効率的に行われていました。経理スタッフのスキルが高いことは言うまでもありませんが、管理部門が助け合いながら、日々の業務を補完し、様々な仕組みを入れることによって最少人数で業務の組み立てを行われていました。ただ、上記のようにハイスキルでハイパフォーマンスの組織ばかりではありません。多くの病院では、総務や人事や企画や経理というように業務を縦割りにして、余剰人員が出てしまうケースがしばしば見受けられます。
経理スタッフの人数が多くなる要因を以下に記載致しました。
① 給与計算の一部を行っている
② 総務の業務を兼務している
③ 受付業務を兼務している
④ 小口現金の精算業務を担っている
⑤ 定款に記載している事業数が多い
⑥ 取引先への支払いを月に複数回行っている
⑦ 金融機関に入出金の為に、月に何度も足を運んでいる
⑧ MS法人がある
⑨ クラウド会計を用いていない
⑩ 債務支払いソフトを用いていない
⑪ 納税はダイレクト納付等を利用していない
組織の成長に合わせて、管理部門のあり方や効率化の検討を絶えず行わなければ、いつしか縦割りの組織となり、人員数は十分にいるのに業務の穴が発生する事があります。組織の利害関係や人間関係が優先されることが多い為、事務長がリードして業務の組み替えを行う事が難しいケースが意外と多くあり、弊社のような病院の経理業務のアウトソーシング会社に相談をいただくケースがあります。一時的に経理業務をアウトソーシング化する事で、業務の再構築に着手されるケースもあります。
これからの時代、人員数はいまがピークという考えが必要です。事実、スキルのあるスタッフの採用はどの医療機関も難しさがあり、業務の進め方を仕組みでカバーする考え方が必要です。人口減少が進んでいくこれからの時代に応じた、マンパワーに頼るのではなく、仕組みで解決する考え方が今後は求められます。
病院の経理業務は病院専業のアウトソーシング会社に相談をする事で、不安を抱えることなく、安心と安定的な仕組みを組織に取り入れていただきたいと願っています。