
紙の請求書と電子請求書の中途半端な2元管理は一番手間がかかる
紙の請求書と電子請求書が混在する事で、経理スタッフの負担が以前より増えています。どのようにすることが最もシンプルかつ、効率的に業務を進めることが出来るかの相談が増えています。受け身で経理業務を行っているかぎり、手間とコストが減る事はありません。時代に変化に応じた対応を積極的に行う事が唯一の改善手段です。
目次
電子請求書が主流になる
紙の請求書から電子請求書に移行が進む理由は、以下の事が要因です。
- 郵便料金の値上げ
- 経理人材の不足による請求書発行業務の効率化
- 働き方改革に伴う残業時間の抑制
- 電子帳簿保存法の施行による業務の効率化
この流れは止まることはなく、デジタル化の波は今後もさらに加速します。
中途半端な対応が最も手間とコストがかかる
従来のまま紙の請求書をベースに業務を組み立てる場合、電子請求書は印刷が必要、かつ、電子帳簿保存法に対応して保存をする必要があります。また、紙の請求書は到着まで時間がかかり、開封の手間もかかり、ファイリング保存の手間もかかります。ファイリング時にはあいうえお順に並び替えてファイリングをするケースが多く、さらに手間がかかります。誰が考えても中途半端な二元管理は時間と労力をかけコストもかかるばかりです。
会計事務所に相談をしても・・・
身近な相談相手であるはずの会計事務所は、病院の経理スタッフの手間を理解していないケースが多く、しばらくは様子をみながらという回答が最も多いと言われています。会計事務所は出来上がった試算表と証票書類を確認し税計算することが仕事で、経理スタッフが行っている仕事がいかに時間と手間がかかっているかを想像すらしていないケースがほとんどです。経理DXをうたっている大手会計事務所でさえ、小手先だけの中途半端な内容で抜本的な見直しの提案を行っていないケースも散見されます。

債務支払いソフトの活用
先に述べたように、電子請求書の割合が減少することはありません。すなわち、電子請求書に対応した業務フローと仕組みに見直すことが唯一、業務負担の軽減につながります。弊社は数社の債務支払いソフトを比較検討した結果、Bakurakuを用いています。AI-ocrの読み取り精度が高い事と操作性がシンプルでコストパフォーマンスも高いためです。具体的には、支払金額、消費税率、口座情報、インボイス、支払日を自動的に読み取り、振込登録、買掛金・未払金の計上仕訳、買掛金・未払金の消込仕訳も会計ソフトとAPI連携が可能です。会計ソフトとAPI連携が出来ているかどうかが重要なポイントです。取引先が50件以上あればその業務効率の良さは実感できます。支払先が200件以上ある医療法人では、一度使い始めると、後戻りすることは考えられなくなります。それだけ業務が効率化します。
さらに効率化する為に
紙の請求書から電子請求書へ切り替えが60%以上になれば、効率化を実感できます。逆に言うと、紙の請求書の割合が多ければ債務支払いソフトを用いてもPDF化する為の手間が余計に発生する為、業務負担が増加します。取引先に対して、2,3か月で電子請求書への切り替えを強く求めることがポイントです。病院でも95%以上が電子請求書に切り替えができているケースもあります。業務を効率的に進める為には、取引先にゆだねるのではなく、自ら方針を示し、リードすることが重要です。本質的な経理DXの支援の相談をするために、複数社に提案を求め病院の経理DXのメニューや業務内容と業務範囲の説明を聞く事がスタートです。ベンダーのソフトを導入することがDXではないことに留意が必要です。
会計事務所がボトルネックとなっているケース
病院の利益率が低下し人口減少がますます進む等、病院を取り巻く環境が大きく変化しています。しかしながら、会計事務所に遠慮や忖度し経理業務のDXが道半ばの病院も少なからずあります。具体的には会計ソフトの見直しに対応していただけないケースや紙の請求書でなければ仕訳の確認が出来ないとの理由からです。病院経営の苦しさは一過性のものではなく、今後とも継続します。病院が業績不振になっても会計事務所は支援をしてくれません。会計事務所との関係は、自律した発展的な関係性であるべきです。
受取請求書の業務を効率化する為には、3か月から半年程度かかります。早め早めの検討をお勧めいたします。その一助となる為にも、弊社ホームページを通じて相談をいただければ幸いです。