病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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病院の経理業務と給与計算業務のアウトソーシングについて

病院の経理業務と給与計算業務のアウトソーシングについて

病院経理 2025.08.19

弊社への問合せも、経理業務と給与計算業務の両方のアウトソーシングを検討したいという相談が多くなってきました。その背景は各部門の実務責任者が定年を迎える年齢になっている事と採用活動がうまく進んでいない事、スタッフを育成する経営的な余裕が少なくなっている病院が多くなっているのだと推察します。

給与計算業務のアウトソーシングではなく勤怠管理ソフトの導入

しかし、給与計算で最も大切なことは勤怠情報が適切かどうかという点です。その為、勤怠管理の仕組みをシンプルに整えれば、その情報が給与計算アプリに連携し、正しく給与計算が行われます。給与計算業務をアウトソーシングするのではなく、クラウドの勤怠管理と勤怠管理に連携する給与計算アプリを導入されるケースが増えています。給与明細も印刷して各自に手渡しが不要にすることができ、スタッフのスマホのアプリにログインする事で、給与明細をWebで確認することができ、業務の効率化が進みます。また、年末調整もスタッフのスマホで行う事ができ、とりわけFreeeのアプリは秀逸で40万人が利用されています。
また、病院では様式9の作成に手間と時間がかかっている為、様式9と連動するfreeeを活用されるケースが増えています。結果的に、給与計算をアウトソーシングするよりもコストダウンが図れているようです。

ただ、入退職の手続きや産休や育児休暇の手続き等、病院では毎月のように労務手続きが発生する為、社会保険労務士に諸手続きのアウトソーシングと労務顧問を依頼を行われる事が多いように思われます。

経理業務のアウトソーシングは記帳代行と経理代行

経理業務のアウトソーシングは大別して、記帳代行と経理代行があります。


具体的には、記帳代行は試算表の作成をアウトソーシングします。一方の経理代行は試算表の作成は当然の事、取引先への金融機関の支払登録や納税手続きまで行い、社外経理部としての位置づけです。経理代行で行わない業務は現金管理と金融機関への振込承認です。記帳代行のアウトソーシングよりも経理代行のアウトソーシングの方が結果的にトータルコストは安くなります。その理由は、一気通貫で経理業務を請け負う事で効率的な仕組みを導入しながら経理業務を漏れる事無く仕組み化して行うためです。弊社のような税理士法人に経理代行を委託すると、結果的に決算もスムーズに行うことができ、経理と税務を一気通貫に行う為、さらにコストダウンが実現します。

経理代行の分かりやすいアウトカム評価として、試算表や決算の仕上がるタイミングが分かりやすいです。弊社の場合、最も仕上がりの早いクライアントは翌月8日で、平均は翌月15日~20日です。決算は弊社の場合は3月決算の場合は4月25日~30日には税計算が終わります。一般的な会計事務所の場合は、翌月の25日前後のようです。

アウトソーシングにより完成した高品質な財務分析資料とグラフ

経理業務の外注化により、試算表が仕上がるタイミングが早くなり、数値の精度も高まり、コストダウンが実現できます。ただし、そのアウトソーシング会社の業務品質は留意が必要です。クリニックの実績や一般事業会社の実績だけでは、病院の経理代行の品質を保証することは難しいためです。医事と請求事務の話しや未収管理についてリードしながら行うことが出来る事が必要なスキルです。また、業績報告を理事長や事務長、運営会議の場で他病院の事例や経営改善の可能性についても話しをできる事が求められるスキルと言えます。

おわりに

病院の病床数や介護事業や訪問系事業所数にもよりますが、上記のようなアウトソーシング体制をとることで経理と人事の兼務でパート一人という病院もあります。
「経理業務のアウトソーシング」と「勤怠管理と給与計算と様式9の連携とクラウド化」、「労務手続きのアウトソーシング化」は、労働人口が減少局面に入っている地方では、今後の病院経営の主流派になってくるように考えています。
医事業務の外注化がスタンダードになっている事と同じと考えていただければ、問い合わせのハードルは下がるものと思われます。
お気軽にお問合せから、ご相談をいただければと思います。



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