病院の経理・アウトソーシングに関するコラム

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病院の横領を防ぐためにも経理BPO(経理業務のアウトソーシング)が有効な手段

アウトソーシング 2025.11.26

経理BPO(経理業務のアウトソーシング)を受託後に、長年続いた横領を発見することは決して珍しい事ではありません。経理業務のアウトソーシングは横領を暴く事が目的ではありませんが、経理スタッフが長期間一人で業務を行っているケースや複数体制で現金の取扱いや確認を行っていないケース、経理業務をローテーションしていないケースはリスクが潜んでいると考えられます。病院は売上の大きさや現金の取扱いが多い割に、経理スタッフを異動させるケースは大規模法人を除いてほとんど実施されていない為、リスクが内在していると言わざるを得ません。

なぜ病院専業の経理BPOは横領に気づくことが出来るのか

弊社は病院専業の経理代行会社です。多くの病院の経理業務を支援し、多くの病院の経理業務のアウトソーシングのご依頼をいただき、多くの病院の税務顧問を行っています。その為、何がスタンダードで何がイレギュラーな経理フローなのかは決算書を拝見し、ヒアリングをすればその違和感やリスクを感じとる事が出来ます。

具体的には、ヒアリングを通して当たり前の確認や数値の正しさを根拠に基づき確認する過程で、たとえ雄弁に説明をされたとしても、お金の動きや流れが仕訳と不一致であった場合は、違和感や不明瞭さを感じます。

複数の目で確認を行わずに仕事が続いている場合は、残念なことに不正の温床となっているケースがあります。代表的な5つの横領や不正経理の防ぎ方を紹介致します。

ヒアリング

1.介護の利用者負担の現金

通常は介護事業の利用は長期間続く事から、利用者の支払いは口座振替を用いる事が一般的です。しかし、口座振替の手続きが全体の利用者の割合に比して低く、現金回収の記録が中途半端なケースは、弊社では注視しながら回収状況をモニタリングを行います。
領収書の発行の仕方や領収書のナンバリングの状況の確認、未収が発生した際の請求書の再発行をいつ誰に渡し、いつ回収予定か等の記録を残していただく事が、仕事の役割である事を説明します。また、早いタイミングで複数対応を行っていただくように仕組みづくりを整備します。結果的には口座振替を全ての利用者に例外なく徹底する事が一番の解決方法です。
仕組みの徹底が結果的に職員を守る事につながると弊社は考えています。

2.自動精算機の現金

自動精算機を導入すれば、現金事故が無くなると安心している病院が意外なほど多く見受けられます。運用の仕組みを徹底しなければ骨抜きの仕組みとなっているケースがあります。
その代表的なケースは、自動精算機から現金を入出金する際に2人体制で行っていないケースです。
自動精算機から現金の入出金時は人が介在し、人が仕訳を行うという盲点を突く事で横領が長きにわたり表面化しないという事実です。
院内で経理を行っていた際は、お金の残高に合わせて仕訳を行っている場合は、不正が表面化しません。しかし、弊社はお金の動きとその他のエビデンスを照合し、事実に基づき仕訳を行う為、現金が実在しなければつじつまが合わない為、不正や横領の可能性が表面化します。お金の動きを仕訳で再現する事で、現金の実在性の有無が白日の下にさらされる為です。

3.法人のクレジットカードの私的な利用

横領をしたスタッフが仕訳入力をしていると、その不正が表面化しない場合があります。顧問税理士がどの程度、確認しているかにもよりますが、規模が大きい法人であれば仕訳の細部まで確認を行う事は難しい事が実態です。
経理業務を全て外部委託すると、原理原則通り、カード明細とその領収書を確認する為、ガラス張りになり、不正利用ができなくなります。
法人のクレジットカードを活用することイコール、不正の温床というわけではありません。法人のクレジットカードは現金の取扱いを減少させる有効な手段であるためです。今はリアルタイムでクレジットカードの利用状況を把握することができ、API連携で仕訳を行うことが出来る優秀な法人のクレジットカードもあります。どの法人のクレジットカードを用いる事が有効な手段となるかは、アウトソーシング会社に相談することをお勧めいたします。

経理の仕訳

4.ガソリンカードやETCカードの私的な利用

ガソリンカードやETCカードは誰がいつ使っているかが特定できないだろうという心理が働く為、私的利用がいつしか常態化してしまうケースがしばしば見受けられます。その為、常に使用状況がリアルタイムで分かるクレジットカードを用いる事が有効で、最も効果的なけん制する仕組みとなります。
具体的には、給油記録や運行記録をつけ、給油する為の法人クレジットカードはリアルタイムに使用状況が確認できるカードを使用する事です。勤務時間外や日曜日に利用している場合も、経理スタッフのパソコンでその利用状況が分かる為、イレギュラーな使用実態がある場合は、すぐに利用者に状況確認することが、内部けん制機能となります。

5.振込確認が行われていないケース

仕訳入力を行うスタッフが金融機関への振込確認も兼ねていると、不正出金が表面化しないケースがあります。
経理業務をアウトソーシングする事で、そもそも不明瞭な支払いは行えなくなります。その為、不正をしている経理スタッフは銀行の支払登録をアウトソーシングする事にかなり抵抗され、アウトソーシングを行う事が決まったタイミングで突然、退職されるケースも過去にはありました。弊社は引継ぎが無くても、経理業務のアウトソーシングをスタートすることは可能な為、職員の顔色をうかがうことなく、ご決断をいただいています。

まとめ

経理BPO(経理業務のアウトソーシング)は不正を発見することが目的や役割ではありません。しかし、業界に精通している経理BPOは業界特有の仕組みとノウハウを有している為、イレギュラーなお金の動きや管理の不十分さに対して嗅覚が働きます。それは、不正や横領の事実を数多く発見し、それを防ぐ仕組みを構築している為です。それがノウハウであり付加価値として提供しています。

経理業務のアウトソーシング会社は数多くありますが、特に病院の経理業務のアウトソーシングは専業のアウトソーシング会社に相談を行う事が結果的に安心して任せることが出来ます。ここで留意が必要な点は、診療所の経理業務のアウトソーシングを何件行っていても病院の経理業務のアウトソーシングを行うには、全く質が異なります。取り扱うボリュームと複雑さのレベルが全く異なる為です。

経理の不透明さを感じられている事務長や長らく一人の経理スタッフに金庫番を任せてしまっている病院の事務長はホームページを通じてご相談をいただく事をお勧め致します。

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